三重県伊賀市のお客様より、花鳥図の金屏風の修理をご依頼いただきました。
ご自宅に長年飾られていた二曲の屏風で、経年による劣化や汚れが目立ち始めたことから、「大切な作品を美しく蘇らせたい」とのご相談をいただきました。
屏風とは?──日本独自の美術家具
もともと屏風は、風を防ぐための実用品でした。ですが時代が進むにつれ、部屋の仕切りや装飾として発展し、やがて日本独自の美術品として高められていきます。
その歴史は平安時代に遡り、当時は屏風に絵を描き、その上に宴席で詠まれた和歌を記すといった文化もあったようです。今でも、短冊や色紙を屏風に貼る習慣が残っていますね。
掛け軸や額と比べると、屏風は数も少なく、日本の美意識を象徴する希少な存在です。
お持ちの方は、ぜひ大切に扱っていただきたい美術品です。
金屏風とは?──「余白の美」を金で表現
金屏風とは、背景に金箔を用いた屏風のこと。絵のない金屏風は、結婚式や祝賀の場など“晴れの日”の背景として広く知られています。
一方で、絵が描かれた金屏風には、日本画の真骨頂ともいえる美意識が詰まっています。
今回修復した屏風にも、満開の花々と、舞い遊ぶ鳥たちが見事に描かれていました。背景には何も描かれていない——そう見えるかもしれませんが、その「空白」を金で埋めることで、主題を際立たせる。
これが日本ならではの「余白の美」なのです。
屏風修理の価格と納期の目安
屏風修理は、一曲あたり 税込55,000円〜 承っております。
修理内容は、絵の状態・裏打ち・枠材の劣化具合などによって異なりますので、都度お見積もりをいたします。
基本的には枠も新調させていただきます。これは、古い枠の汚れが修復後の本紙に移ってしまうのを防ぐためです。
● 納期:2ヶ月〜6ヶ月程度(曲数・傷み具合によります)
屏風修理のご相談はサンコー商事まで
屏風や掛け軸などの美術品修理は、全国対応のサンコー商事にお任せください。
私、担当の横田が責任をもってご対応いたします。
📞 TEL:06-6336-5666(平日9:00〜17:30)
💻 ホームページからのお問い合わせもご利用ください:
https://www.sanko-shoji.net/contact.html
JAいがふるさとを通じてのご相談も可能です(伊賀市・名張市の方)
伊賀市・名張市にお住まいのJA組合員の方は、JAいがふるさとを通じての修理相談も承っております。お気軽にご利用ください。
👉 JAいがふるさとの事業所一覧はこちら:
https://www.jaiga.or.jp/?p=132
まとめ
屏風は、ただの装飾ではなく、日本文化を映す鏡のような存在です。
そして修復は、その美しさを未来へとつなぐ大切な手段。
金屏風の修復を通して、日本画の奥深さと、職人の手仕事の力を改めて感じたご依頼でした。